はじめに|夏の繁忙期に製氷機が止まると営業に直結する
飲食店の製氷機は夏に最も酷使される設備のひとつです。気温上昇により製氷効率が下がる一方で、使用量は急増します。このタイミングで内部の汚染や劣化が重なると、製氷量の低下・異臭・故障につながります。
「去年の夏も使えていた」は安心の根拠になりません。 夏前の5〜6月に点検・清掃を済ませておくことが、繁忙期の安定稼働につながります。
第1章|夏前に製氷機の点検が必要な理由
外気温上昇で製氷能力が低下する
製氷機は外気温が高いほど製氷効率が下がります。カタログスペックの製氷量は標準気温(約20〜25℃)での数値であり、真夏の厨房環境(30℃以上)では製氷量が2〜3割低下するケースがあります。
夏は細菌・カビが繁殖しやすい
製氷機内部は常に水分があり、気温が高い夏は細菌・カビが繁殖しやすい環境になります。内部が汚染されると氷に臭い・味の異常が出ることがあります。食品衛生上の問題につながるため、夏前の清掃は必須です。
第2章|清掃の種類と頻度
日常清掃(スタッフが行うもの)
| 内容 | 頻度 |
|---|---|
| 製氷庫(貯氷部分)の清掃・消毒 | 週1回 |
| 給水タンク・フィルターの清掃 | 月1回 |
| 外装の汚れ拭き取り | 随時 |
製氷庫は食品(氷)が直接入る場所です。中性洗剤で洗浄後、食品用の消毒剤で拭き取り・乾燥させてください。
専門清掃(業者さんに依頼するもの)
| 内容 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 内部洗浄・清掃 | 年1〜2回(夏前に必ず1回) |
| 冷却系統・配管の点検 | 年1回 |
| コンプレッサー・ファンの清掃 | 年1回 |
内部洗浄は専用の洗浄剤を使った作業が必要で、業者さんへの依頼が推奨されます。
第3章|こんな症状が出たら対処法
症状① 製氷量が明らかに減った
原因として考えられること:
- フィルター詰まり
- 外気温の上昇による効率低下
- 冷媒ガスの不足
まずフィルターの清掃を試みてください。改善しない場合は業者さんへの点検依頼が必要です。
症状② 氷が小さい・形がおかしい・くっついている
原因として考えられること:
- 水量の調整不良
- 庫内温度の管理不良(貯氷量が多すぎて融けて再凍結している)
製氷庫に氷を溜め込みすぎないよう注意してください。貯氷量が多すぎると、融けた水が再凍結して氷同士がくっつきます。
症状③ 氷に臭いや異味がある
原因として考えられること:
- 製氷庫・給水タンクの汚染
- フィルターの汚れ
- 水道水の残留塩素が強い(季節・地域による)
製氷庫・給水タンクの清掃・消毒を行ってください。改善しない場合は内部の洗浄を業者さんに依頼してください。
第4章|清掃・点検費用の目安
※以下は工事費のみの目安です。出張費・薬剤費・諸経費が別途かかります。総額は表の金額の1.2〜1.5倍を目安にしてください。
| 内容 | 費用目安(工事費のみ) |
|---|---|
| 内部洗浄・清掃 | 15,000円〜35,000円 |
| 冷却系統・配管点検 | 10,000円〜20,000円 |
| フィルター入替 | 3,000円〜8,000円 |
| 製氷機本体の入替(小〜中型) | 150,000円〜400,000円 |
まとめ
- 夏は外気温上昇で製氷効率が低下し、内部の汚染が重なるとトラブルに直結する
- 夏前(5〜6月)に内部洗浄・清掃を業者さんに依頼しておくのが最善
- 製氷量低下・氷の形の異常・臭いは早めに対処する
- 使用7〜8年以上の機器は夏前に業者さんに状態を診てもらうことを推奨
