はじめに|補助金は「知っていれば使える」制度
飲食店の修繕・設備入替は、まとまった出費になります。そのコストを一部カバーできる可能性があるのが国の補助金制度です。
ただし、補助金は「申請すれば必ずもらえる」ものではなく、目的・要件・申請タイミングが合わないと対象外になります。この記事では、2026年度に飲食店オーナーが活用を検討できる主な補助金と、申請前に知っておくべき注意点を解説します。
※補助金の内容・スケジュールは変更されることがあります。最新情報は各制度の公式サイトをご確認ください。
第1章|修繕・設備投資に活用できる2つの補助金
① 小規模事業者持続化補助金
目的:小規模事業者の販路開拓・業務効率化を支援する補助金。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(通常枠)・インボイス特例活用で最大100万円 |
| 補助率 | 対象経費の2/3 |
| 対象者 | 従業員5人以下の飲食店(法人・個人事業主) |
飲食店での活用例:
- 集客強化を目的とした店舗の一部改装
- 省エネ設備の導入(集客・原価削減につながる取り組みとして申請)
注意点:この補助金の目的は「販路開拓」です。単純な老朽設備の修繕・入替は対象になりません。「この設備入替によって売上がどう上がるか」という説明が申請書に必要になります。
② 中小企業省力化投資補助金
目的:人手不足の解消・省力化を目的とした設備投資を支援する補助金。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 従業員数によって異なる(最大750万円〜) |
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
| 2026年第7回公募 | 2026年6月初旬予定 |
飲食店での活用例:
- 業務用食洗機(省人化効果が高い機器)
- スチームコンベクションオーブン
- その他、人手不足解消につながる厨房機器
注意点:対象となる機器は「カタログ型」として事前登録された製品に限られます。希望する機器が対象かどうかを申請前に確認する必要があります。
第2章|申請前に確認すべき3つのこと
① 「修繕」か「投資」かを整理する
補助金は基本的に**前向きな投資(販路開拓・省力化・生産性向上)**を支援するものです。「壊れたから直す」という修繕は対象外になるケースが多く、「この投資によって何がどう改善するか」を説明できる場合に活用できます。
② 補助金は「後払い」・返済は不要
補助金は融資(貸付)ではないため、原則として返済は不要です。ただし、不正受給・目的外使用・事業の中断などがあった場合は返還を求められることがあります。
また、補助金は工事・購入後に申請して受け取る仕組みです。先に自己資金で支払う必要があります。資金繰りの見通しを立てたうえで申請してください。
③ 採択率と手間を考慮する
補助金申請には事業計画書の作成など一定の手間がかかります。申請書類の準備に数十時間かかるケースもあります。少額の修繕であれば、補助金申請の手間と得られる金額が見合わない場合もあります。数十万円以上の投資が見込まれる場合に検討するのが現実的です。
第3章|補助金を活用するための進め方
修繕・設備投資の内容と金額を先に把握する まず何にいくらかかるかを業者さんへの見積もりで確認する
補助金の目的と自分の投資目的が合致するか確認する 「販路開拓」か「省力化」か。どちらに当てはまるかを整理する
商工会議所・商工会に相談する 持続化補助金の申請には商工会議所・商工会のサポートが受けられます。申請書の書き方を一緒に確認してもらえます
公募スケジュールに合わせて動く 補助金には公募期間があります。タイミングが合わないと次回まで待つことになります
まとめ
- 飲食店が活用できる主な補助金は「持続化補助金」「省力化投資補助金」の2つ
- 単純な老朽修繕は対象外になるケースが多い。「投資によって何が改善するか」が問われる
- 補助金は後払いのため、先に自己資金が必要
- 数十万円以上の設備投資が見込まれる場合に検討する価値がある
- まず修繕・設備投資の費用感を把握してから申請の検討に入ることをおすすめします
